Misce//anea

小手先のLife Hackではなく、器の中身を。

選択肢を広げて、それから狭めること

就活とは選択を狭めることである

 先日、採用コンサルタントの方にお話をお伺いする機会があった。採用コンサルタントとは、主に面接の内容の作成、面接官のトレーニングを行う、などいわば採用試験作成を請け負う仕事である。初めて聞いた業界だったが、採用側から見た就活という視点はとても勉強になった。

お話する中で、次の言葉に少しはっとさせられたのでアウトプットしてみたいと思う。

 

今までの決断は選択肢を広げるものだったが、就活はそれを狭める作業である。

 

就活は受験とは違う。そして就活について漠然と感じていた違和感はここにあった。つまり、僕が今まで行ってきた受験などのイベントは『人生の選択肢を広げること』であったが、就職はその選択肢の中から選ぶ、すなわち『選択肢を狭めること』にほかならないのである。

「良い高校に行けば良い教育が受けられ、良い大学に入れば、良い就職先への道がひらける、自由な選択が出来ることは良いことだ」などというように、なるべく自由な選択が出来る環境を目指してやってきたが、今度はその中から選ばなくてはならないのである。これは困った。この選択は難しい。一般的に自由は良いものとして保証されているが、自由の中の選択が自分にあったものなのかを保証するものはどこにもないからである。選択ができず、モラトリアムに逃げ込む学生がいるのも不思議ではないと思う。

 

興味深いことに、海外(アメリカなど)の学生にはこの傾向が少ないという。そもそも海外の大学は、Applyする際に将来のキャリアまで考えていることが多い。そして、在学中にインターンへ行くことは当たり前で、そうしたなかで自らのキャリアについて深く考える機会が多く、殆どの学生が明確な意志を持って職業選択をするという。やはり、実際の就業体験が大きな経験となるのだろうか。

 

 入ってくる学生には意志がない。つまり、自分の会社に入って何かを成し遂げたいという明確な意志を持っていない。優秀なのに、何がしたいのかと聞くと薄っぺらいありきたりの答えしか返ってこない。

 

結果的に入ってくる学生はこのような傾向が多いと企業の採用さんは頭を抱えているという。果たして、意志というものがどのレベル、具体性で判断されるのかわからないが、いずれにしても、キャリアについて考えることが就活において要求されているということである。

「なぜ、この会社を選んだのですか?」とか、「会社に入って何をしたいのですか?」ということに対して何度も「それはなぜですか?」掘り下げられていったら段々と答えることが困難になる。何を原則としてキャリアを選択するのか見出していく必要があると改めて思った。